わかってるつもりでも全然自分でやってみるとわかってないことは多い。「なんにも考えずにやったらバレるきね」と叱咤激励されながら、稽古は進む。
わかってないと言えばイントネーションもその一つ。方言矯正までいかなくとも、やはり観て頂く人に伝わるような表現をしたい。
土佐弁は私の耳にはハキハキと聞こえる。音をしっかり強く出すからでしょうね。高知に来た当初は子音のくどさがカルチャーショックだった。
その印象が強過ぎて真似をしようとするせいか、私の土佐弁は土佐人にはくどいらしい。「お婆みたい」と言われる。つまり私のイメージが、
土佐弁=お年寄りが使う難解な言葉=昔話的なわざとらしさ
と凝り固まっているらしい。若い人の軽快な土佐弁を身に着けたいんですよね。そのためには音をちゃんと聞き分けて再現しなければ。無自覚ではそれが出来ない。イントネーションに限ったことではないが。
私にはいろいろ基本がない。自分が日常で感じる範囲、日常の反応の範囲にしか想像力がない。イメージを具体的に作りこんで、それをどう表現するかが役者の仕事ということらしい。役者になるのは難しい。
ところでよく高知の人に、土佐弁は喧嘩しているみたいに聞こえるでしょう?と訊かれるがあんまりそうは思わない。
私の地元の方言も喧嘩しているように聞こえるとよく言われる。聞き慣れない人には確かにぼそぼそと機嫌悪く聞こえるらしい。抑揚による印象が大きいみたい。(佐賀は崩壊アクセント地域)。
なんていうか地域によって喧嘩のイメージ自体が違うのかもしれないね。
地域文化論になった。(なってない)
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